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プリミエ科(共通基礎)

― 職業的判断の「共通言語」を形成する基盤 ―

プリミエ科は、フロマジェ職業認証制度において、
すべての専門分野・職能判断の前提となる「共通基盤」を形成する科目です。
ここで扱われるのは、特定の職種や専門技術ではなく、食品、とりわけチーズを対象とした判断を行う際に、
社会がその人に最低限求める判断能力の水準です。


フランスやスイスをはじめとする欧州諸国において、フロマジェは「詳しい人」や
「技術を持つ人」ではなく、食品の選択・熟成・保存・提供において、状況を総合的に判断し、その結果に責任を負う専門職として位置づけられてきました。
その前提として求められるのが、味覚や品質を感覚だけで捉えるのではなく、

状態として把握し、構造的に説明できる力です。


プリミエ科では、チーズを「商品」や「嗜好品」としてではなく、
原料、製法、熟成、環境、提供条件が相互に影響し合う食品として捉え、
その状態を適切に判断する力を育成します。
これは販売、飲食、流通、教育、家庭利用といった場面を問わず、
あらゆる現場で共通して必要とされる判断力です。


この科目を修了した者は、専門的判断を行う前段階として、
何を基準に見ているのか、なぜそう判断したのかを他者に説明できる状態にあります。


これは学習履歴の証明ではなく、
職業的判断を行うための基礎条件を満たしていることの証明です。
プリミエ科が制度の最初に位置づけられているのは、序列のためではありません。
すべての職能が共通して立脚する「判断の共通言語」を
社会に対して明確にするためです。
この共通基盤があるからこそ、能力認証や職能別専科における判断責任の違いが、
制度として正しく説明可能になります。

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