
国 際鑑評基準ICES
国際鑑評基準 ICES
International Cheese Evaluation Standard
ICESは、チーズそのものの品質・状態・完成度を評価するための国際鑑評基準です。
評価対象は一貫して「チーズ」であり、提供方法、演出、好み、販売文脈とは切り離し、製品としての健全性と整合性を確認します。
ICESが判断するのは、
「そのチーズが、そのタイプとして成立しているか」
という点にあります。
すなわちICESは、文化的評価や嗜好評価に先立ち、
製品としての成立条件を確認するための基準です。
ICESとは
ICESで評価する主な観点
外観・組織の健全性
亀裂、滲出、構造崩れ、不自然な乾燥や過湿など、製品としての物理的安定性を確認します。
香りの清潔性とタイプ適合性
異臭や過度なアンモニア臭の有無、およびそのチーズタイプとして自然な香りであるかを確認します。
味覚バランス
酸味、塩味、旨味、苦味などが破綻なく構成されているかを確認します。
熟成状態と意図との整合
内部と外皮、風味と組織が熟成段階として適切に一致しているかを確認します。
製品全体としての完成度
個々の要素ではなく、最終的に一つの製品として整合しているかを総合的に評価します。
ICESの評価方式
ICESは、評価者の主観的な好みや印象に依存しないよう、
再現性・説明可能性・整合性を重視した
絶対値評価方式により運用されます。
ここでいう絶対値評価方式とは、
他の製品との比較や順位付けではなく、
単一のチーズが基準に対してどの程度成立しているかを評価する方法を指します。
そのため、評価結果は順位ではなく、
製品の状態および完成度に基づく判断として示されます。
ICESが評価しないもの
ICESは以下を主評価対象としません:
• 提供演出・盛り付け
• 空間・体験設計
• 物語性・ブランド背景
• 個人の嗜好
これらは重要な価値ですが、ICESの評価領域ではなく、
別の評価基準において扱われます。
ウォッシュタイプのチーズを鑑評する場合、ICESでは以下を確認します:
• 表皮の洗浄状態が過不足なく維持されているか
• アンモニア臭や異臭が発生していないか
• 外皮と内部の熟成状態に乖離がないか
ICESは、「魅力的に見えるか」ではなく、
製品として健全であり、そのタイプとして成立しているかを評価します。
具体例(ウォッシュタイプ)
ICESの意義
チーズの価値を社会的に共有するためには、
まず製品そのものを公平に評価する基準が必要です。
ICESは、チーズの品質と完成度を客観的に捉える基盤として、
評価の信頼性と社会的共有性を支えます。
またCAFAJでは、このICESを品質評価の基準として位置づけ、
官能適用評価基準(SEAS)および三次元構成理論(TDC)と役割を分けて運用しています。
• ICES:チーズそのものの評価
• SEAS:おいしさの成立評価
• TDC:体験価値の構成

JCクオリティ・マーク(JCQM)
国際鑑評基準(ICES)に基づく品質評価指標
国際鑑評基準 ICESに基づく絶対値評価の結果を可視化した、日本チーズ品質認証です。
評価は国際基準に準拠した手続きのもと実施され、品質の構造的理解と社会的信頼性の両立を目的としています。
JCQMは、チーズの品質を社会的にわかりやすく可視化するための評価指標です。
全国チーズ鑑評会において、 国際鑑評基準(ICES)に基づく評価を通過した製品に対して付与されます。
評価は、あらかじめ定められた基準に基づく 絶対値評価方式により行われます。
JCクオリティ・マーク(JCQM)とは
なぜ信頼できるのか
JCQMは、以下の考え方に基づき設計されています。
• 国際鑑評基準(ICES)に準拠した評価体系
• 評価者の主観に依存しない絶対値評価方式
• 複数評価者による合議的判断
• 製品状態を中心とした品質評価
これにより、評価結果の再現性と説明可能性が担保されます。
評価方法(ICESとの関係)
JCQMは、国際鑑評基準(ICES)に基づき、 以下の観点から評価されます。
• 外観・組織の健全性
• テクスチャーの状態
• 香りの清潔性と適合性
• 味覚バランス
• 熟成状態と完成度
評価は20点満点で行われ、 一定基準を満たした製品に対して付与されます。
マークの意味
JCQMは、品質の到達水準を星の数で示します。
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★★★ 高い完成度を有する製品
★★ 基準を十分に満たす製品
★ 基準を満たした製品
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本マークは、消費者が直感的に品質を理解するための指標として設計されています。
使用について
JCQMは、全国チーズ鑑評会において評価基準を満たした製品に対し、 使用が認められます。
使用にあたっては、 定められたガイドラインに従う必要があります。
社会的意義
JCQMは、チーズの品質を社会的に共有可能な形で提示することで、 生産者・流通・消費者の間における信頼の形成を目的としています。
また、日本のチーズ品質を国際的文脈の中で位置づけるための 指標として機能します。